
■ 体験学習から得られるもの
「理科」や「数学」と聞くだけで引いてしまう生徒さんも。
⇒ 「距離を近くすること」、これが上手くいく秘訣であることが
脳科学的に明らかになっています。
①時間 × ②距離 × ③慣れ = 「得意になる」
実際に、キャンパスを見学し、体験学習や研究室の見学などをすることによって、大学での教育研究内容を身近に感じることができます。学びの意欲を高めることを目的に、さまざまな体験学習へご招待します。
■ 生き方や進路のヒントに
研究室の見学や模擬授業を受けることにより、理系の科目との距離が近くなることだけでなく、生き方や進路についてのヒントにもつながります。文系・理系を選択する前の生徒さまや学習のモチベーションを図りたい生徒さんにもオススメです。
普段は主に、自由参加型プロジェクトとして行っておりますが、学年単位でも受け付けております。対象は、中学2年生から高校2年生ぐらいの方々にいらして頂けると良いかと存じます。
■ キャンパスツアーも開催
早慶上智やMARCHなど1日で周ってみるプランもご用意しております。キャンパス見学は、Youtubeだけで終わらせてしまう生徒さんも多いですが、実際に足を踏み入れてみると全然ちがいます。
キャンパス見学の後は、普段はなかなか見ることのできない研究室の見学や模擬授業、体験学習になどさまざまなプランをご用意しております。
■ 参加者20名~30名程度
■ 土日祝や夏休み、冬休み、春休みに募集いたします。
■ 日本の子どもたちとSTEM科目
日本の子どもたちは、PISAやTIMSSの学力テストにおいて、生徒たちの学業成績は良いものの、理科や数学などの「理系の科目を好きかどうか?」や「理科や数学に関する職業に就きたいか?」などの質問には、否定的な解答も多数見受けられます(文部科学省,2021; 国立教育政策研究所,2020,2021)。学業成績が良いにもかかわらず、理系の科目が好きになれないという事態に、教育界では、理科における探求学習を積極的に行っている学校が増えています。
OECD(経済協力開発機構)が実施しているPISA調査(生徒の学習到達度調査)では、「自然界の知識」と「科学的探究」の2種類に分けられ、学校教育ではどちらかというと「自然界の知識」の方に重点が置かれていることが指摘されている(OECD, 2009)ため、「探求的な学び」(「アクティブラーニング))の授業が増えてきている状況です。この背景をふまえて、日本でも、科学的な考え方の育成に向けて、児童・生徒の能動的な学修を促すアクティブラーニングが求められています。知識だけではなく考え方をも重視し、理系の人材を育成するためにあらゆる取り組みがなされています。
学習に関する興味は、国内外のさまざまな研究によって報告されています。学習内容への興味は、学力や学習意欲など学習のパフォーマンスに関わる大切な要素となります。また、年齢とともに興味・関心が変化していきます。
PISA調査のように、理科や数学(算数)に関しての興味は、小学校高学年頃から中学生頃の子どもにおいて年齢とともに下がる傾向があることが、国内外の研究で報告されています。
その理数への興味が下がる年齢層で、うまくアクティブラーニングを活用していくべく、探求的な学びが注目されている背景があります。小学校高学年頃というと、ちょうど学習が難しく感じられる年齢でもあり、徐々に学力に差が付きやすくなりますが、そこで興味を持ち続けられるようにフォローすることが大切です。
■ STEM女子への道のり
国内外で、女子のSTEM教育が注目されています。アメリカでは、女子が早い段階でSTEMキャリアを選択することから離れることが問題になっています。日本でもSTEMキャリアを選択する女性が徐々に増えてはいますが、まだ人数としては少ない状況です。また、理系の科目をはじめ、STEMフィールドの職業に興味を持ったからといって、女子の場合はそれと関連する職業を志望するとは限らないことが国内外の研究で明らかになっています。その理由としては、ジェンダーステレオタイプの影響があり、STEM分野への結果期待や興味が低くなりやすいことがOECDや海外の研究により指摘されています。
■ なぜSTEM専攻の女子が少ないか?
STEMの教育や研究の場では、「冷たい空気(chilly climate)」や競争的環境など、強いネガティブな影響があることが先行研究で明らかになっています。また、STEMフィールドといっても、生命科学、情報科学、エンジニアリング、数学(統計を含む)、物理科学などさまざまであり、1970年から2015年までの45年間において、経年変化を調査したアメリカの研究では、生命科学の学士学位取得者数とエンジニアリングの学位取得者は上昇していますが、情報科学や数学、物理には変化がみられないという結果が出ています。
さらに、女子学生の受け入れ数を増やしても、それだけでは問題は解決せず、入学後のサポートも大切であることが報告されています。女性教員が女子学生のサポートをしますが、女性の教員の人数が少ないこともあり、彼女たちへの負担が過剰になっている現実があり、STEMフィールドの女子の人数を増やすことは、まず現役の女性教員の地位を向上させる必要があるようです。
ちなみに海外の研究では、STEMフィールドの中でも、生命科学や情報科学など、それぞれを選択する女性のキャリア意識などに傾向があるとの報告があります。
・生命科学を専攻する女子学生-家族を形成することや人生を豊かにすることに関心が高い
・情報科学を専攻する女子学生は経済的な成功を求める傾向が強い
・物理学を専攻する女性学生は科学の発展に貢献したいと考える傾向が強い。
職業的な選択の傾向は、STEM以外にもさまざまあります。